【続】俺様王子と秘密の時間
高校三年生になりました。
去年の文化祭の日――。
やっと想いが通じて、千秋との距離が縮まったと思ったのに……。
現実は厳しかった……。
文化祭であたしを選んでくれて、千秋の気持ちを聞けたのに。
あたしと千秋の関係は、相変わらず“秘密”なんだ。
何故かっていうと……、
「ねえねえー、あの子でしょー?王子が文化祭で選んだ子」
「そ。あの子だよ。でも選んだけだよ!付き合ってないんだって」
「そりゃそうでしょうーっ。だって見るからに凡人じゃん……」
あたしのことでしょうか?
思い切り聞こえてるんですけど。
最大の問題。
「好き」の言葉は聞けたけど、あたしと千秋は“彼氏”と“彼女”ではないってこと……。
千秋はそれらしき言葉を言ってくれない。
秘密の時間は現在進行形、なんの変化もないことに、ちょっぴり不満です。