【続】俺様王子と秘密の時間
結局、お姉ちゃんが作ってくれた朝食を3分の1くらいは食べて、あたしは家を出たんだ。
だって一口も手をつけなかったら、お姉ちゃんの雷が落ちてくる。
正門を歩いていると、背後からけたたましい音が響いて、振り返ろうとしたら、いきなり髪の毛を引っ張られた。
ぎゃあああっー!
「痛いっ……」
こんなことするヤツは一人だ。
勢いよく後ろを振り返ると、
「もぉー、羽鳥ーっ!」
そこには黒いバイクに股がって、ハンドルに肘を乗せて笑ってる羽鳥が居た。
「頭、爆発してんぞ?ククっ」
切れ長の目をくしゃっとさせて、ウェーブの髪を揺らして笑う羽鳥は、イタズラっ子みたいだ。
やっぱりね……。
羽鳥しかいないもん、こんなことするの。
「シイ、いつも寝癖ひでぇな?」
「うるさーい」
なんて口を尖らせていたら、
「痴話喧嘩か?」