【続】俺様王子と秘密の時間
次の日は朝から曇り空だった。
目まぐるしい出来事に鎧(よろい)でも背負ってるのかってくらい全身が重く感じた。
はぁあああああ。
ズル休みしたいくらいだよ。
千秋はなにを考えてるかわからないし、羽鳥の気持ちを改めて知ってしまったし……。
うなだれながらもあたしは学校へ向かい、正門を通りすぎる寸前、
「寝不足か?」
「ぎゃっ……!」
エンジン音が響き渡ったと同時に真横で声が聞こえた。
「は、は、羽鳥……!」
「ぶはっ。シイ。今の顔、超不細工」
バイクのハンドルに肘をついてケラケラ笑った。
羽鳥だったから余計にギョッとした。
「不細工ってなによ!」
「あ?怒った?」
「怒った……」
「怒っちゃった?」
「羽鳥ムカつくっ」
「ククッ」
ガキ大将みたいに笑う。
昨日の今日だっていうのに羽鳥はなんだか楽しそう。
もう、人の気も知らないで……。