【続】俺様王子と秘密の時間
「早くバイク停めてくれば!」
「葉月みてぇなこと言うなよ」
「ふんっ!」
「ぷっ。今度は膨れっ面?」
なんて言いながらあたしの頬っぺたをツンツンと突っついてくる。
「シイ」
「なによ!」
「放課後、教室で待ってる」
「え……?」
突然のことにあたしは困惑した。
いきなり、待ってるって……。
羽鳥はなにも言わずにいるあたしを察したのか、
「わっ!?」
「ひっでぇ寝癖。どんな寝相したらこんなんなるんだよ?」
あたしの首に腕を回してクスクス笑うから、一瞬流れた気まずい雰囲気はどこかへ消えた。
寝癖だとか寝相とかはいいから、早く腕を離してよ……。
「シイ、お前さ。もっと可愛く言ってみ?」
「はぁっ!?」
「“雅弥の意地悪ー”とか?」
完全にからかわれてる。
あたしは苦笑いするしかなかった。