【続】俺様王子と秘密の時間
放課後待ってるって言ったり、からかってきたり。
もう調子狂うよぉ。
昨日のことがあったら普通に会話出来ないかもとか、あたしは結構気にしてたのに!
「シイ、早く言ってみろ」
「は…羽鳥の、い、意地悪……」
「雅弥って言えって」
「えっ、やだよ」
「一回でいいから」
ん〜〜〜。
あたしは一度も羽鳥を雅弥だなんて名前で呼んだことはない。
だからいきなり言われてもちょっと無理だ……。
「言わせたいだけだろ?」
あたしと羽鳥以外の声が混ざってきた。
背後から突き刺さる視線に振り返れば、不機嫌オーラ丸出しの千秋が居た。
「……千秋」
出来ればこういう状況は避けたかった。
二人は犬猿の仲。
こういう時あたしは口ごもるしかないからだ。
「朝から嫌なもん見ちまったぜ」
羽鳥はハンドルを握る。
「それ、オレの台詞」
千秋は目を細めた。