【続】俺様王子と秘密の時間

◆恋のラビリンス



――欲張りになっていく。

二人とも大事で二人とも失いたくない。

それが本音だった。

ズルい考えだということはわかっている。



「ちょっとアンタ。いつまでそうしてんのよ?もう土日になっちゃったじゃないの!」


お姉ちゃんが声を張り上げる。

あたしは3日間も学校を休んだ。

そして今日は土曜日で、もう7月に突入した。


こうやって学校をズル休みしたのは、ただ逃げてるだけなんだって重々承知。



「一人にしてよぉ……」

「いい加減にしなさい!」


バサッとあたしの布団を取り上げた。



「3日もこんな調子じゃない!」

「放っといて……」

「アンタさ、恋愛のことで悩んでんのはわかるわよ?でもね、ハッキリさせろって言ってるのよ!」

そんなことお姉ちゃんに言われなくったってわかってるよ。

 

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