【続】俺様王子と秘密の時間
「好きだろ?」
キャッチしたソレを見る。
羽鳥があたしに投げたのは苺ミルクのキャンディだった。
たったそれだけのことだけど、教室でのことがあっていつものように接してもらえないって思っていたから、余計に嬉しかった。
「も…もっといっぱいあったらよかったのに」
我ながら可愛くないなぁ。
上手く話せないあたしは俯く。
「んだよ。そんなもんが好きとかガキだよなぁ、シイは」
「いいでしょ別に……」
ケラケラ笑う羽鳥。
唇を尖らせるあたしに羽鳥は笑って言った。
「それでシイが喜ぶなら、そんなもん山ほどやるよ」
ククッと笑って部屋の中に干してあるTシャツを着る。
そんなこと言わないでよ……。
嬉しいことを言ってくれたのに、一瞬ドキッとしたせいでありがとうすら言えなかった。