【続】俺様王子と秘密の時間
「いつもみたいに“羽鳥のバカ”とか言えって」
「……あたし」
言わなかったらまるで肯定してるみたいだ。
羽鳥はあたしの頭をくしゃくしゃにしてくる。
いつもあたしの頭を撫でるその手が躊躇っていた。
そして、羽鳥は縮こまるあたしを一瞬にして抱きしめた……。
「オレ、アイツと違ってバカだから期待すんだよ。期待させんな」
ポタッと羽鳥の髪の毛から溢れ落ちた雫があたしの睫毛に落ちる。
まだ熱い羽鳥の体温がTシャツ越しに伝わってくる。
「羽鳥は……」
「なんだよ?」
「羽鳥はどうしてあたしなの?」
冷静さを装って聞いてみたけど、内心はすごくビクビクしていた。
そして……。