【続】俺様王子と秘密の時間
◆苺ミルクの魔法
――魔法が解けたのだと思う。
王子様との恋は淡雪よりも儚く、残った後悔は何よりも重かった。
あたしを好きだと言ってくれた切れ長の瞳をした男の子は、初めて優しくしてくれた男の子でした。
あたしを好きだと言ってキスをくれた、ブラウンの瞳の男の子は、初めてを教えてくれた人でした。
夢から覚めても千秋の悲しげな表情が、儚げな微笑みが、あたしの核を突いてズキズキと痛んだ。
羽鳥にぶつけられた言葉を思い返すと、傷つけたのはあたしの方なのに、よりいっそう痛みが増したように感じた。
あの日交わした羽鳥との会話を思い出す。