【続】俺様王子と秘密の時間
「そんなの自業自得じゃないの」
自分の席についてこないだのどしゃ降りの日の出来事を話したあたしに、はーちゃんは言った。
「よく言うじゃない?大切なモノがほんとに大切だって気づくのは、失った時だってね?」
窓に寄りかかり言い放つ。
はーちゃんの言ってることは全てあたしに当てはまってる。
「王子はさ……」
言いながらあたしの机に肘をついて顔を乗せる。
伏せるあたしの顔を見つめた。
「アンタを傷つけたくなかっただけよ。シイが嫌いでほんとに別れたかったわけじゃないと思う」
傷つけたくなかった……。
それはあたしも一緒だった。
「王子は怒ってるとかシイを許さないとか、きっとそういうんじゃないわよ?」
「ん……」
「強くなってほしかっただけよ。あたしだってずっとそう願ってたんだから」