【続】俺様王子と秘密の時間


かぁああああって耳まで真っ赤になるあたしの頬に手を添える。

そしてグッと端正な顔を寄せると口角を吊り上げて笑みを溢す。

ブラウンの瞳に吸い込まれそう。



「なあ?わかってんのかよ?」


艶っぽい瞳が覗くから心臓が激しく高鳴りを増す。

ドキンッ……ドキンッ……。

千秋がなにか言葉を口にすると、熱が上がって溶けてしまいそうになる。



「信じてくれてたのに、あたし」


言いかけるあたしの唇を千秋は人差し指を立てて塞いだ。



「オレの気持ち押し付けてお前を泣かせた。だったら離れた方がいいって思ったんだよ」


切なげな表情で話す千秋をひたすらに見つめた。



「でも、もうぜってぇ離してやんねぇ」


長い睫毛にかかる前髪の隙間から見える千秋の瞳は、揺らぐことなくあたしを捉えた。

 

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