【続】俺様王子と秘密の時間


千秋はあたしを見上げて挑戦的な瞳を細めた。



「オレが欲しいのは椎菜だけだ。3年前からずっとな?」


臆病になって恋を諦めてきたあたしを、王子様はずっと見ていてくれました。



「お前の全部が愛しくてたまんねぇ」


それは好きだって何億万回言われるよりも嬉しくて。

初めて恋をした相手が千秋でよかったと心底思ったの。



「今すぐお前を抱きてぇくらい」


だけどやっぱりちょっぴりエッチな王子様。

マイクがついてることなど気にもせずに、涼しい笑みで言う。



「ほんとはあん時、言おうとしたんだ」


あたしをおろすと千秋は顔を近づける。

あたしの唇をなぞる。

それはきっとあの雨の日のこと。



「お前はやっぱり笑ってる方が可愛いよ」


まるで本物の王子様のように笑う千秋が言った言葉は、脳髄まで甘く染み渡る……。

 

< 655 / 658 >

この作品をシェア

pagetop