【続】俺様王子と秘密の時間
“ターゲット”……。
美結ちゃんのその言葉があたしの中で何回も何回も再生される。
まるでこれから獲物を捕らえようとする肉食動物みたいに、美結ちゃんは大きな瞳を鋭く輝かせる。
ドクン……ドクン……。
とたんに胸がざわつく。
……こないだ見た校内新聞でも、“次のターゲットはだぁれ?”そう書かれていた。
「美結、校内新聞見たんだけど、千秋先輩がアンタみたいな女を選んだなんて信じられないっ!」
昨日とはまるで別人だよ。
ガラリと変わった口調はとてもキツく、あたしは驚いてしまった。
去年の文化祭のことを言ってるんだ。
涼くんの書いた記事には、あたしのマヌケ面の写真も載っている。
だから美結ちゃんは昨日の昼休みに初めて会ったのに、あたしのことを知っていたんだ。
「超凡人!たまたま選ばれただけなのに“彼女”面しないでよ!」