青き秘宝
第一章◆友の失踪と旅立ち
キンキンカンキン!剣と剣が激しくぶつかり合う音が、待ちから数キロ離れた岡から聞こえてきた。
「おらおら!どうした!?もう終わりかよ?」
と威勢の良い女の子の声が聞こえてきた…リリだ!
リリの声と共に泣きそうな男の声が聞こえてくる。
「はあはあ。くそ!これでどうだあ!」
と頭の上から剣が風を切り、リリの頭の上に迫ってきた、とたんリリがすばやく身を翻して、剣を受け止めた!
キーンとかん高い音が鳴り響いた。

「くそ!剣が動かない…!」
とうめく声が聞こえるさなか、リリだけは余裕の顔つきだった。
「あぶねえなぁ。女に手ぇあげていいのかよ?」
リリは、男の泣き出しそうな顔を見ながら言った。
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