私はアイドル★



カラーン―――――

ドアの上に取り付けてある鈴の音が鳴る

バーの中は少し暗めでおしゃれな家具が幾つか置いてあり、バーのマスターらしき人がカクテルをシャカシャカと振っているのが見えた


その奥には森田さんと市川さんともう1人ちょっとイケメンっぽいの赤髪の男が騒いでいた



その場は何だか入りにくい雰囲気でなかなか前に進めないまま、眺めているとそれに気付いた森田さんと目が合ってしまった

「愛理ちゃん、そんな所で何してるの?早く、こっち来なよ。」



私は「すみません..」と謝り、市川さんの横の席に座った

森田さんに変に思われただろう



「君が噂の愛理ちゃん?」


急に赤髪の男が話掛けてきた


「そうですけど..噂って何ですか?」



不思議に思って聞いてみると、市川さんが話に割り込み、「新人でドラマ出演の決った可愛い子ちゃんってね」と答えた



私はいきなりの「可愛い」の言葉に焦って、「いゃ、きもいです。きもいです。」と同じ言葉を連呼しておもいっきり否定した




赤髪の男はそんな様子が面白かったのか、「ぶはっ」と笑いを吹き出した



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