カノジョ。
全部話して、あたしは、お風呂あがりで時計をはずしてむきだしになった左手首をみた。


あんまり目立たなくなったけど、赤い線がまだ残ってる。



カスミさんどう思ってるだろ。
引いたかな…。



自分で言い出したことだけど、
気まずくてカスミさんのカオが見れない。


「!」


ふいに左手首をとられてびっくりする。

「カスミ、さん…?」

カスミさんはあたしの左手をとって傷口を優しく触れていた。

すごくすごく悲しそうなカオで。



カスミさんは何も言わなかったけど。


あたしはそれが死ぬほど嬉しかった。
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