カノジョ。

「カスミさん、て…」
「ん？」
「すきなひととかいるんですか」


バイトの帰り。
あたしは宮坂さんといっしょに駅にむかって歩いていた。


「何おまえら、女同士でそーゆー話しねぇの？」
「あんまり…」
「おれも、直接本人から聞いたことはねぇけど」


宮坂さんはすごく頭がいい。

いろんなところに知り合いがいて、
いろんなことを知ってる。
うさんくさいけど、何か相談するならこの人しかいないとおもう。


だから、カスミさんも、宮坂さんになら何か言ってるかなって思った。