罪人ノ恋謌‐神ヘノ生贄‐



使いは国王に一礼して、ゆっくりとリリアの方に向き直った


「さて、案内するぞ。
明日までの間、国のために尽くせよ。」



ニヤリ、と使いの口には皮肉な笑いが形どられていた


「大丈夫、あの亜人もいる。
明日までの友達をたくさんつくりな。」





亜人―


人と獣の血が入り交じった人


そして



視覚


聴覚


嗅覚


味覚


触覚


すべてにおいて、生まれつき優れている亜人の者たち


しかし


その獣じみた姿故に、差別され、軽蔑されてきた




< 9 / 32 >

この作品をシェア

pagetop