まつり国のお姫様
「じゃあ、ありがとうございました。」

それだけを言うと、少年は走って行った。

「ほんと、単純だわ。」

「みゆき様。」

「何?」

「本当は、本当においしいと思いましたでしょう?」

「んなわけないじゃない。」

「失礼いたしました。」

何を考えてんだか。

「でも・・・」

先を歩いていた飯塚が振り返る。

「まずくもなかった。」

あたしがそう言うと、飯塚は微笑んだ。
< 7 / 34 >

この作品をシェア

pagetop