運命
「国語…算数…社会…図工…。ここに積まれている教科書、小学校の物ばかり…。それにこれは…カナヅチ…」

高校生が小学校の教科書を見るだろうか。そして、勉強机に不釣り合いなカナヅチ…。そして私はふと「美術」と「理科」の教科書の間に挟まれているノートパソコンを見つけた。すぐに手袋をはめ、それらをビニール袋へと入れた。

「どこにあったそんなもの」

相場警部が気付かなかったのか。
教科書の間に挟まれていた事を伝えた。

「そこは調べたが何もなかったぞ」

とうとうボケたかと少しテンションが上がったが、すぐに中身を見てみようと、警部と共に一階へと降りた。一階でも検識官がそこら辺りを調べている。
パソコンを起動させると、パスワード入力画面が出てきた。

警部と私は顔を見合わせため息をついた。
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