君だけのサンタクロース
昼過ぎ、ゴローとの約束通り駄菓子屋へ向かった。
「あっ!りっくん!」
案の定、店番をしとったゴローは暇そうにしていて、俺の顔を見ると嬉しそうに飛びついてくる。
昔っから、ゴローと心春ってなんか似てんねん。
ころころ変わる表情やとか、甘いもん好きなとことか。
まあ…でも、ゴローの方が素直で扱いやすいんやけど。
登れへんのが悔しくてスニーカーまで買ってリベンジして来た時は、アホみたいに嬉しかった。
負けず嫌いなアイツは、10年前となんも変わってへん。
「りっくん、なんかキモチ悪い。さっきからニヤニヤして」
「ほっとけ!」