君だけのサンタクロース
「ゴロー君の駄菓子屋さんに、
これと同じ瓶があったんだ」
彼女の笑顔はキラキラ、
夕陽にも負けず、
酷く眩しい。
────なあ、リキ。
もしもその子が
約束覚えてへんかったら
どうするん?──────
「リキ・・・どうかした、の?」
────そんなん、
諦めるしかないやろ────
気付けば、心春の家の前。
出てきた言葉は、
“さよなら”でもなく
“またな”でもない。
「あんときのキス、忘れてな」
心春に、振り返ることはできなかった。