君だけのサンタクロース
ピチャン、と跳ねた水音が静かなお風呂場に響いた。
今日は玩具のアヒル隊長を休みして、膝を抱え、リキが放った一言があたしの頭の中をぐるぐると駆け巡る。
「だったら、…なんでキスなんかするのよ…」
意味わかんない、意味わかんない。
ずっとぎくしゃくしてたのは昨日のキスに罪悪感があったから?
あのキスは気まぐれだった?
それとも雰囲気に流されただけ?
…なんで忘れろってゆうの?
聞けばよかったんだ。
いつもみたいに、喧嘩腰になってでも。
だけどそんなこと、できなかった。
ただ遠くなってゆく背中を呆然と見つめてるだけだった。