君だけのサンタクロース


お風呂場から出て、髪を乱暴に拭く。

寝巻きに着替えて二階に向かおうとすると、ばあちゃんが丁度部屋から出てきた。



「ほれ、こないだ言っとったやろ?」



ばあちゃんがあたしに差し出したのは、一枚の写真。

日付は丁度10年前だった。


「ありがとう。」


それを受け取るとすぐに部屋に戻り、じっくりと見つめた。

映っていたのはゴロー君とリキ、そしてその真ん中に挟まれている女の子。

・・・あたしだ。



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