君だけのサンタクロース
翌日、職を探しに街に出る。
昨日は遅くに眠た為、寝過ごしてしまったあたしは昼過ぎになって街を彷徨いた。
アルバイト募集の張り紙や、求人雑誌を探してみるけど、未だ見付からない。
そもそもこの街に求人雑誌なんて存在するのかさえ、わからず途方にくれていた。
それでも母から婚約の話が来るまで此処に居る訳だし、いつまでもおばあちゃんの世話になってる訳にはいかないよね。
だけど、あたしはこの街のことを知らなさすぎる。
なんて考えていた矢先、前から歩いて来た男の子とバッチリ目が合い、彼はあたしの前で立ち止まった。
「あ、たしかリキの・・・」
「エイジやで。心春ちゃんやろ?」