君だけのサンタクロース

「心春ちゃん、こないだ逢ったときと全然ちゃうわ」


彼女は首傾げて、俺を見た。



「めっちゃ優しく笑うようになった。」
「そう…かな？」
「ホンマ。それって…リキのおかげなん？」



心春ちゃんは少し頬を紅く染め、また笑った。



「そうかもね。」



俺の入る隙間なんて、なさそうやなぁ。

心春ちゃん自分の気持ち自覚してへんみたいやし、このままやったらリキの１０年間は救われへんから。




「リキもアホやんな。小さい頃に恋した女の子をずっと想っとるなんて」
「…リキって好きな子いる、の？」



リキに絶対バラすなよ、って脅されてたんやけど、まあ…ええや。

これも全部リキの為やで、許してな。