君だけのサンタクロース
「彼女も作らへんで、ずっとひとりだけ。」
「その子と今、…恋人なの?」
「ちゃうよ、遠くに行っちゃったんやって」
“でな、”
と続かせようとしたら、俺の声を心春ちゃんの言葉が遮った。
「だったらリキを好きになっても意味ないよね。」
うわー…、
めっちゃ勘違いしてるわ。
まあ、俺的にそっちの方が好都合やねんけど。
このまま言うか、言わまいか。
でもきっと俺が言ってバラすよりも、リキが云った方がええねん。
人の恋路に茶々入れる程、無粋ちゃうし。
って…あれ、俺結局掻き回しただけ…?