君だけのサンタクロース



「江夏先輩、付き合って下さい」


この日もリキは告白されてて、その現場に隠れて見てたんが俺とゴローと先輩のミチ君やった。


「俺、好きな奴おんねん」


そして、リキはいつもと同じ言葉を返す。

相手は後輩で一番可愛えって有名の女。

リキは絶対彼女作らへん。

ミチ君は「アイツ、ホモやねん」って言ってたけど、俺とゴローは、めっちゃ年上の美人サンとかに手ぇ出してるかと思ってた。

あんまりにもギャーギャーミチ君が一人で騒ぐもんやから挙げ句の果てにはリキにバレてしもうた。


「リキ、また勿体無い事してあかんやろ!」
「そうやで!今の子可愛いかったやん!」


そんな俺らに対して、リキは強い瞳で言った。





「10年前から、守りたい奴決めてんねん。」






それが初めて聞く、
リキの片想いやった。




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