君だけのサンタクロース
「あ、ごめんなリキ。バラしちゃった」
「は?・・・なにを?」
「リキが10年間ずっと想ってるちゅうこと」
「はぁぁ!?お前っ!」
「ま、心春は色々と勘違いしてたみたいやけど」
なんやねん、それ。
「アイツ・・・何か言ってた?」
「そんなん心春から聞けばえーやん。」
「・・・覚えとれよ、エイジ」
俺、ほんまにええ友達もったみたいやな。
あのままやったらきっと後悔しとった。
「怖いわー、心春ゴローんとこ行くって。間に合うかもよ」
10年前、電車に乗り込む小さな背中見たときと同じように。
「分かっとるわ!」
勢いよく受話器を置いて家から飛び出した。