君だけのサンタクロース
俺はすぐに心春ん家から離れてゴローん家へ向かう。
走るたび、北風が肌を切るように痛い。
もう時刻は夕暮れ。暗くなる前にアイツを見付けたい。
またアイツが怖がって泣くとアカンから。
家に着いても、ゴローの姿はなかった。心春の姿もどこにもない。
帰り道を歩いて、ゆく。
何故か、
もう二度と彼女に会えない、
ただそんな気がした。
また、君は、遠くへゆく。
今度は、きっともう二度と逢えない。
今やったら云えたのに
好きや、って君に。