君だけのサンタクロース
「心春ちゃんやーっ!」
その声にびっくりして顔を上げると、そこにはいつもと変わらない笑顔を浮かべたゴロー君があたしに向かって手を振っていた。
そうだ、
あたしゴロー君に聞きたいことあったんだ。
リキのことでいっぱいだったから、約束の事なんて忘れてた。
「あのさ、ゴロー君・・・これ覚えてる?」
あたしは右ポケットから瓶を取りだし、ゴロー君にしっかりと見せた。
「あ!やっぱり心春ちゃんやったんや!」
ゴロー君は今に思い出したという表情を見せ「覚えとるよ」と笑った。
やっぱりサンタクロースはゴロー君だったんだ。