君だけのサンタクロース




─────…泣いてるで?」






目頭が熱くなり、頬に次から次へと滴が流れてゆくのが分かる。



「ご、ろっ君ごめ、…っ」



今すぐに、彼に逢いたい。


彼に会えば今すぐ好きと云える、
そんな気がするの。


ゴロー君に頭を思いきり下げると、枯れたコンクリートを涙が濡らした。

そして夕焼け空の中、あたしは走り出す。





真っ暗になったら
また彼は迎えに来てくれるかな。

息を切らして呆れて笑って、
手を差し延べてくれるかな。



でも、夜なんて待ってられない。






今だったら、



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