君だけのサンタクロース
THIRTEENDAY
冷たい受話器からは通話終了音が
真っ白な頭の中を駆け巡ってゆく。
おばあちゃんが放った言葉は
ゆっくりと消えていった。
あたしの頬には静かに、
あたたかいものが伝う。
此処に逃げてきて、まだ少し。
その月日が、涙と笑顔をくれて
そしてあたしを変えた。
あたたかい優しさをくれる人が
此処には居て、
好きと伝えたい相手が
此処に居る。
自分勝手に生きてきた。
傷つけて、傷つけられて。
今、それを返さねばいけないとき。
それなのにあたしの心は無常にも、
たったひとつの願いを刻んでゆく。
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