君だけのサンタクロース



「じゃあ、アンタだれ?」
「お前のばーちゃんちの隣んちの住民」



微妙な答え。信じていいのか、だめなのか。

見るからにあたしと年齢は近そう。真っ黒な髪に、少しキツメの目付き。でも世間的に整っていると言われる顔だと思う。背はそんなに高くないけれど、スラリとした細身の体ははっきり言ってあたしのタイプだ。

なんだかムカつくけど今まで見てきた男の中で一番かっこ…よくない、ない、騙されちゃ駄目じゃん、あたし。

しかもこの男あたしの返事聞かずにさっさと歩いて行くし…。



「本当に、迎えに来たの?」
「あたりまえやろ」


彼は少し薄暗くなった道を振り返りもせずに言う。
そんな彼の背中に向けてアタシは言った。





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