君だけのサンタクロース


「めっちゃ旨そう!」
「心春ちゃん料理得意なん!?」
「ゴロー・・・エイジ。」



ずっとケーキを見つめていたリキが静かにひとこと。



「お前ら二人、食すの禁止。」
「なんでなん!?りっくん酷いやんか!」
「リキ甘いの苦手やろ?」




リキが赤くなって小さく放った言葉は隣に居たあたしにしか聞こえないほど。




「他の男に食わせるん嫌に決まってるやろ」




少し笑っちゃったけど、あたしも小声で「今度はリキだけに作るよ」と言って、ケーキを切り始めた。

リキの方へ振り向けないのは顔が紅いからだってことはあたしだけの内緒にしとこう。



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