君だけのサンタクロース


「ばーちゃん、連れてきたで」



リキがドアを開けて、居間が視界に入る。

東京の家にはなかった炬燵がある居間は、なんだかあったかく感じた。

そして炬燵を囲んで座ってる2人の女性が目に映る。



「ひさしぶりやね」




柔らかく笑う、その人がおばあちゃんだってわかった。

イメージしていたおばあちゃんと全然違う。
あたしがイメージしてたおばあちゃんは、
もっとキツそうな、冷たそうな人。

だけど今目にしているおばあちゃんは
にっこり笑うと、目の下と口元に皺が寄り、
声も表情も、すごく優しいものだった。


でも絶対に安心感は抱けない。

だってこの人はあの人の母親なんだから。

ぜったい冷たい人に決まってる。



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