君だけのサンタクロース
「おっきくなったわねぇ。心春ちゃん」
「こちらはお隣の江夏さん。リキ君のお母さんやで」
久しぶりだね、おっきくなったね、
そう言われたってあたしの記憶には一切残っておらず、
少しその言葉に違和感を感じた。
なんとなくペコと浅く頭を下げ、
リキが側に腰を下ろしたのを見て
あたしもとりあえずリキの隣に座った。
「リキ君が迎えに行ってくれるってゆったもんでね、ここで待っとったんよ」
そうおばあちゃんが笑って言った。
おばあちゃんってゆうのは
少し…ううん、たくさん違和感があるけどとりあえず
“おばあちゃん”って呼ぶことにした。