君だけのサンタクロース
炬燵の上にケーキがあるのに気付く。
そのチョコのボードに“心春ちゃんお帰りなさい”と書かれていた。
…お帰りなさいって、
あたしここの家の子じゃないのに。
「俺が行く行く!って聞かへんのよ〜!」
「そんな事言ってへん!ただ準備が」
「やだ!この子照れちゃって!」
「うっさいわ!おかん!」
リキは少し照れたらしく、それからずっと俯いてた。
その姿にすこし可愛いと想った。
ほんのすこしだけだよ。ちょっとだけ。
おばあちゃんはケーキを切ってあたしのお皿に乗せた。
チョコのボードも一緒に。
それはあたしにとって初めての“チョコのボード”だった。