君だけのサンタクロース


それからおばあちゃんとリキのお母さんの井戸端会議が始まり、あたしはケーキをすこしずつ食べ始める。甘くて、美味しい味が口の中いっぱいに広がった。

おばあちゃん達の声に耳を傾け、聞こえたのはあたしとリキが同じ年だって事。

隣でケーキに一切手をつけないリキに「食べないの?」と聞くと「甘いもん嫌いなんじゃ」って可愛げなく答えられた。ほんとツンツンしてて、嫌な感じ。


「その性格、甘いもの食べたら少しは治るんじゃない?」


そう嫌みな笑顔を浮かべて言ってみると、そんなあたしにリキは「シバくで?」って思い切り足を足を踏んだ。男が女にすることとは到底思えない激しい痛み。もうこんな奴しらない。


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