君だけのサンタクロース
「うわ、まだ7時だよ」
「もう7時やんけ。ばーちゃんは5時に起きてるんやで」
おばあちゃんは台所に立ち忙しそうに腕を動かしながらそう答えた。
あたしはというと炬燵の中に足の先から頭の天辺まですっぽり収まっている。
…よかった。まだ7時で。
5時に起こされるなんて溜まったもんじゃない。
田舎の朝が早いんじゃなくておばあちゃんの朝が早かった。
こんな早く起きるのは久しぶりだ。
昨日までは、夜はずっと遊び周って、朝から昼までずーっと寝てたり。
朝7時に意識があるなんて本当に久しぶり。
なんだか嬉しい気持ちもしたけど、これが毎日続くのであれば今すぐにでも東京に帰りたい気持ちでいっぱいになった。