君だけのサンタクロース
「ご飯できたで、食べ。」
ぬくい炬燵から恐る恐る頭を出すとすぐに寒さが背筋を伝わってきた。
ぶるる、っと少し身体が震える。ほんとに寒い。
まだ11月で東京ではまだジャケットの季節なのに。
「たーんと食べや」
炬燵の上に並べられたおばあちゃんの料理は、まさにお袋料理という感じの物だった。
味噌汁に里芋の煮物、そして焼き鮭。
こんな朝ご飯も久しぶり。
家の料理はシェフが作ったイタリアンだとかフレンチだとか。
その料理は食い気よりも吐き気がした。
友達といるときはマックか、それともファミレスか。
気がつくと全て平らげてしまった自分に気付いてビックリ。
おばあちゃんのご飯は、一流のシェフが作るフルコースよりもおいしかった。
「ばーちゃんこれから仕事やから、あとは頼んだでね」
おばあちゃんはこの村の診療所のお手伝いをしてるらしい。
おばあちゃんは「現役バリバリの看護婦や!」って笑ってた。
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