君だけのサンタクロース
「あの、すいません」
そろそろ彷徨うのも限界だと思ったあたしは、
前を歩いてきた一人の男の子に声をかけた。
とりあえず街に行く道を教えてもらわなくちゃ。
この街には不似合いな蜂蜜色の髪色した男の子は
あたしの声に気付くとキラキラの笑顔をあたしに見せた。
(何この子…超眩しい…!)
「・・・心春ちゃん?心春ちゃんやろ!?」
「…え?」
「僕んこと覚えてへん!?」
ナンパ、と想ったけどなんだか違うみたいで、すごくテンションの高いその子はあたしの返事なんてどうでもよしに延々と「うわー久しぶりやなぁー!あっ10年ぶりぐらいや!」と延々と喋り続けた。