君だけのサンタクロース
「あかん!店番頼まれてたんや!」
「え?店って、なんの?」
「僕ん家、駄菓子屋なんやで!」
もしかして、サンタクロースは
…ゴロー君なの?
「ほな心春ちゃんまたね!」
最後にまた振り返ってキラキラの笑顔を見せたゴロー君は、
すごい速さで田んぼの道を走り抜けていった。
“10年ぶりやな”
と言ったゴロー君が本当であれば、
あたしは小学1年生のときにここへ来ていたんだ。
サンタがあたしに送ったプレゼントは金平糖。
1回しかここに来たことないってのは分かってるから…。
やっぱり、ゴロー君が
あのときのサンタクロース?