君だけのサンタクロース



「あ、やばい。・・・来た道わかんなくなちゃった。」



色々考えながら歩いていたら、気付くと帰り道が分からなくなっていた。
相変わらず右も左も田んぼの道。

あげくに空はもう茜色。烏が大きな空を舞っている。


迷子になったあたしは辺りを見回して人を探した。

生憎なことにあたしの歩く道にはだれひとりいなかった。



「だれも、いない…か」



…あたしの声なんかに気付いてくれる人いるのかな。

みんなあたしを冷たい目で見るんだ。




どこにいても、

なにをしても、

いい子になっても、

いつまでも、いつまでも




(なんで帰ってきたの?あんたがいると家の空気が濁るんだから)
(ママが言ってたわよ。この家に“ヒツヨウのない子”だって)




あたしがいらない子、だから






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