君だけのサンタクロース
「あたしのこと…さがしてた?」
「もしかしたら帰ってくるかもしれんって家で待っとる」
「ばーちゃんじゃなくて」
リキは小さな声で「探しまくったわ」と呟いた。
それがなぜだかわからないけど嬉しく感じて、少し頬が緩む。
「笑うな、ほんまにシバくで」と言ったリキは少し照れたようにも見えた。
リキは昨日あんなに早足に前を歩いて行っていたのに、今日は不思議とゆっくりで隣を並んで歩く。