君だけのサンタクロース



気付いたらもうおばあちゃん家の前で、
あたしはあんな近いところで迷子になんてすこし恥ずかしく感じた。


「ばーちゃん、 心春探してきたで。」


玄関でリキがそう声を響かせるとすぐにおばあちゃんが走ってくる慌ただしい足音が聞こえてくる。

そしてあたしの目に映ったのは、酷く安心したおばあちゃんの表情だった。



ねえ、おばあちゃん。



それは演技?

他人のあたしへの演技なの?



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