君だけのサンタクロース
「コイツ足怪我しとるから、消毒したってな。」
リキ、気付いてたの?
なんであのとき…ああ、そうなんだ。
この人の優しさは見えないとこにあるんだ。
今日ゆっくり歩いてくれたのは、
隣で歩いてくれたのは、
怪我したあたしと、怖がっていたあたしのためだったんだ。
お礼を言おうと思ったのになかなかあたしの口は開いてくれなくて、
10mほど離れた隣の家に帰っていくリキの背中を見つめてた。
お礼を言ったのはおばあちゃんで、
結局あたしは何も言えなかった。