君だけのサンタクロース
酷く泣き虫で、それでもって優しい奴。
そんな10年前の面影は消えていたけど、どうしても突き離せんかった。
どうしてか、また泣いとるような気がした。
もうおらんかもしれん心春を必死で探し回って、
もしかして、そう思ったらホンマにその場所に蹲とった。
それは、10年前と同じ場所で。
せやけど10年前と違って、泣いてへんかった。
星が欲しいと言った心春は10年前と同じ。
“なまえ・・・なんてゆーの?”
だけど心春は俺んことなんて覚えてへんかった。