君だけのサンタクロース
────あれから2日。
リキのお陰でおばあちゃんと仲直り出来たあたしは、おばあちゃんの事が好きになった。
朝に強引な起こし方をされても、スーパーへ買い物に付き合わされても嫌な気なんて全くしない。
それはむしろ嬉しいくらいで、おばあちゃんが仕事の日はすごく寂しかった。
あれからリキの顔は見てない。
それもそのはず。
リキはあたしと違って高校に行ってるんだから。
「高校かあー…」
炬燵に顎を乗せ、そう小さく呟く。
「高校がどうしたん?」
「なんでもなーい」
炬燵の反対側で裁縫をするおばあちゃんにふるふると頭を振って、後ろにバタンと倒れ込んだ。
あたしには青春っていうものがなかった気がする。
テレビドラマやマンガのように、馬鹿みたいに笑って泣いて感動するなんて、そんな事は一切なかった。
つまらない、つまらない、毎日だった。
リキは今、青春を満喫してるのだろうか。
…いいな。
あたしもあんな両親じゃなければ、青春を送れたかな。
“お母さん”にするなら、おばあちゃんみたいな人がいい。
そんな事を考えていたらある疑問が頭に浮かんだ。