君だけのサンタクロース



次の日の正午2時。新品のスニーカーを履いて向かったのは江夏宅。

天気は晴れだっていうのに酷く寒い。あたしは体を縮こませて、鼻まで赤のマフラーに埋めた。

今日の洋服は至ってシンプル。昨日買った白のロンTに黒のコートを羽織り、下はスキニーパンツ…に、あとスニーカー。

江夏家について、玄関のベルを押そうと手を出した。




「何やねん…おまえ」




その時、ナイスタイミングで家から出てきたリキ。

その顔は昨日の事をまだまだ怒ってる様子。




「何って…リベンジしに来たに決まってるでしょ!」



昨日は登れなくて本当に悔しかったんだから、

そう小さく呟くと、リキはあたしの足元を見て嬉しそうに笑った。


…どうせスニーカーなんて似合わないわよ。

でも、その笑顔が少しだけ可愛かったから今回だけ特別に許そうと思った。


リキの出掛ける準備が整うと、ふたりで昨日と同じ場所へ足を進める。




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